訪問歯科診療を開始しました。

地域の皆様にお知らせがございます。

開院させて頂いて以来、様々な患者様の診療をさせていただく中で、付き添いの方の補助や送迎が無いと通院が難しい患者様を度々お見受け致します。

通院が困難な事で足が遠のいてしまい、本来であれば早期に解決できた問題が複雑化していく患者様にどのように対応させて頂いたら良いかを考える中で、当院は訪問診療を開始する事と致しました。

加齢現象の中で、お口の環境の悪化はお口の問題だけに留まらず、誤嚥性肺炎・心疾患・糖尿病など、全身への悪影響を及ぼす事が判明しております。治療だけでなく、口腔ケア(メンテナンス)を継続する事で、様々な疾病の発症率を下げることに繋がります。

訪問歯科診療をご希望される方や、気になる事がある方は、お気軽にご連絡の上、ご相談ください。

当院スタッフ一同、誠心誠意、対応させて頂きます。

しらいし歯科 スタッフ一同

お口の中の微生物

お口の中にはたくさんの微生物が存在しています。

その微生物たちがうまくバランスを保ってくれている事で、私たちの健康(健口)は成り立っているのです。

人間には病気やリスクに対しての防御因子が存在します。

その防御因子の特性を皆さんはご存知でしょうか?

今回は防御因子の一つについてご紹介致します。

『防御因子』とは、[病気に向かうよりも、健康に向かうことに関わる因子]と定義づけられています。

例えば、健康的な食事や適切な運動は心疾患に対しての『防御因子』となり、このような防御因子を利用した食事療法や運動療法がすでに利用されています。

歯科においても、防御因子を利用した療法は多数存在し、現在の口腔環境のアンバランスの修正だけでなく、将来的な口腔環境のアンバランスの予防にも繋がリます。

歯を健全な状態に保つためにもっとも重要な因子のひとつは、pHです。

そもそもpHとは、物質の酸性またはアルカリ性の度合いを示す数値です。

pHが低くなるほど、物質はより酸性になります。

pHが高くなるほど、物質はよりアルカリ性になります。

pHの尺度は1〜14まであり、1がもっとも酸性で、14がもっともアルカリ性です。

また、7は中性を意味し、水(H2O)は通常、中性です。

歯科領域ではpH5.5の値が重要です。

なぜかと言いますと、pH5.5以下の口腔環境では、歯の脱灰が始まることがわかっています。

一方、pHが5.5以上に回復することによって、歯の再石灰化が誘導されます。

多くの口腔内微生物は、増殖のために、ほぼ中性の環境を好み、酸性やアルカリ性への急激な変化に敏感です。

プラーク中の正常な細菌叢に生息する細菌(特に酸非産生菌群)は、短時間の軽度な酸性環境下なら耐えることは出来ますが、長時間または頻回に酸性環境に曝された場合、増殖が著しく阻害されたり、死滅したりします。したがって、口腔内のpHが急激に低下したり、低pHの状態が長時間続くと、酸産生菌や耐酸性菌(う蝕病原性細菌)の定着と増殖が誘導されうる事となるのです。

口腔環境のpHの安定を図る事がひいては予防に繋がります。

皆様もよかったら参考にしてくださいね。

失った歯の回復治療

現在の歯科治療では、歯を失った場合、その後どのように回復していくかの選択肢が4つしかありません。

・可綴式(取り外し)の義歯 → 入れ歯

・固定式の義歯 → ブリッジ

・人工歯根植立 →インプラント

欠損部位への親知らずの移植 → 歯牙移植

今回は歯牙移植についてご紹介致します。

歯牙移植とは、失った歯の場所に健全な親知らずを移動させる方法です。

条件次第では保険適応の治療法となり、最大のメリットはご自身の歯でもう一度噛める状況が再現できます。

ご自身の組織だけで構成される治療法なのでインプラント治療やブリッジ治療よりも優れています。

治療法について、分からない事がある場合はいつでもご相談ください。

食生活改善普及運動/健康増進普及月間

夏のなごりもだんだんと薄れ、朝晩は過ごしやすくなってきました。

保健指導リソースガイド(https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/2manth.php)によりますと、9/1~30は『食生活改善普及運動/健康増進普及月間』だそうです。

生活習慣病の特性や運動・食事・禁煙など個人の生活習慣の改善の重要性についての国民一人一人の理解を深め、さらにその健康づくりの実践を促進するため、9月1日~30日まで1か月間を健康増進普及月間とし、食生活改善普及運動と連携して、種々の行事等を国や地方公共団体、関係団体、民間団体等が全国的に実施しています。

生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。 日本人の死因の上位を占める、がんや心臓病、脳卒中は、生活習慣病に含まれます。

実は、『歯周病』も日々の生活習慣が病気の危険性を高めることから生活習慣病の一つとして数えられています。

歯周病は悪化すると、お口の中だけでなく、血液中を介して様々な全身疾患に影響を与えていくことが様々な研究で明らかになっています。

様々な生活習慣病は日々のケアが重要となってきます。

生活習慣を改善し、健康状態を悪化させないようにして食欲の秋を楽しみましょう。

これからも皆様の健康を、お口の状態を通して陰ながら支えていけますよう努めて参ります。

お口の環境を整えて、感染症リスクを下げましょう

新型コロナウイルス感染症の流行も第7波を迎え、長引く社会情勢にストレスを抱えている方も多いことと思います。

ニュースでは、発熱外来などがパンクしている状況や救急救命の現場が医療崩壊を起こしているなど、様々な報道が見受けられます。

「こんな時期に歯科医院なんて行ったらリスクが高いんじゃないか」と、感じられる方も多いかもしれません。

しかし、このコロナ情勢の中、度々報じられているのでご存知の方もおられるかもしれませんが、口腔内環境が乱れることで感染症リスクは増加します。インフルエンザに関する研究で明らかになっていますが、お口のケアをしっかりと行っている人はウイルス感染を起こしにくくなるということがわかっています。お口の細菌がウイルスの感染を助ける酵素を出すため、適切な口腔ケアでお口の細菌を少なくしておくことでウイルス感染そのもののリスクを下げることができるのです。

治療でよく噛めるようになることで、免疫力アップ、重症化を防ぎます。 噛めない状態で放置していると、どうしても糖質に偏った食事になってしまい、結果的に免疫力を落とし、ウイルス感染、または重症化のリスクが高まります。適切な歯科治療を受けて、よく噛める状態にしておくことで、免疫力の低下を防ぐことができます。

また歯科医院は通常、予約制にしているところがほとんどです。当院でも予約制となっておりますので、待合室に多くの人が集まるという濃厚接触の状況が起こることはありません。ご安心ください。

適切なメンテナンスや治療を受けることで、回避できるリスクはたくさんあります。

常日頃より、院内感染対策を最重要事項と考えており、最大限の感染予防対策を行っております。ぜひ安心して歯の治療を受けにいらしてくださいね。もしご心配な方はお気軽にお電話でお問い合わせください。

感染症の流行の収束は、疫学的に3年〜5年と見られることが多いです。

もうすぐその3年に突入します。これ以上の長期化をしないことを切に願います。

正しい歯みがき

本日は正しい歯みがきについてお話ししたいと思います。

皆さんは実際どのように歯みがきをしているでしょうか?

自己流だったり、なんとなく磨いている方が多いのではないかと思います。

まず使う歯ブラシですが、平均すると『1ヶ月に1度』程度の交換が推奨されています。

毛先の開いた歯ブラシでは歯垢除去率が40%低下してしまうのです。

また、歯みがきの際は、歯ブラシだけではしっかりと清掃できません。

補助清掃道具と言われる『フロス』『歯間ブラシ』『タフトブラシ』は必須です。

歯ブラシだけでは、全体の60%程度しか汚れを除去できません。

残りの40%程度は補助清掃道具で除去します。

むし歯のなりやすい・なりにくいは個人差がありますが、歯みがきをしていればむし歯が予防できるか?というと、正しくは歯磨きだけでは十分な予防効果はないです。

皆さんもこれを機に補助清掃道具を使うようにしましょう。